公正証書遺言をおすすめする理由

 公正証書遺言をおすすめする理由とは、なんでしょうか?

 もちろん、どの種類の遺言書を書くのも、もっと言えば、遺言書を書くか、書かないかも、すべて本人の自由です。書かなければならない義務なんて、どこにもありません。

 ただ、遺言書を書かれるのであれば、しかも、少々込み入っていたり、なにやら難しい事情があったりすれば、なおさら、公正証書遺言をおすすめします。

 私が公正証書遺言をおすすめする理由は、その真実性の高さです。

 公正証書遺言は、遺言をされる方ご本人、公証人、証人(2人)だけで、最終的に作成されます。

 その場に、他の第三者、あるいは、推定相続人などは同席しません。誰にも邪魔されることなく、ご本人の意思が自由に言える場で作成され、本人確認、遺言能力の確認、遺言内容が間違いないかなども、公証人と証人により、同時に確認されるのです。

 自筆証書遺言が、自分一人で、いつでも、どこでも書けることと比較すると、大きな違いです。言い方は悪いですが、あまりにも手軽で自由に作れる自筆証書遺言、かたや、公証人と証人(2人)という他人の中で作られる公正証書遺言。この違い、すこし考えていただければ、全然違うであろうことが容易に想像できると思います。

 こうしたことからも、自筆証書遺言は、仮に形式的な部分がクリアされたとしても、本当に本人が、自分の手で、自分の自発的意思で書いたのかどうか、このことを完全に証明するのは、極めて難しいと言わざるを得ません。

 もちろん、公正証書にすれば真実性が100%担保されるなどということは決して言いません。ただ、自筆証書遺言と比べれば、比較にならないくらい、その真実性は高くなる、とは言っていいと思います。

 自分が書いた(作った)、正常な精神状態のもとで書いた(作った)、内容も間違いなく自分の考えた通りになっている、といったことを確かにしておきたい、とお思いになるのであれば、公正証書遺言をお選びになることをおすすめします。






































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