自筆証書遺言(3)

 今回も、自筆証書遺言の続きです。

 自筆証書遺言(※秘密証書遺言も同様ですが)では、遺言をされた方がお亡くなりになられて、遺言書があった場合、その遺言書を家庭裁判所に提出する必要があります。

 「検認」という手続きをしてもらうためです。前回にも触れましたが、封筒などに入れて封をした遺言書は、そのまま封を開けずに、家庭裁判所に提出します。
 遺言書を発見された相続人の方か、もしくは、遺言書を保管されている方が、家庭裁判所に所定の手続きをして、検認の手続きの申し立てを行います。このときには、申立書、被相続人のすべての戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本などが必要になりますので、必要書類等につきましては、よくご確認ください。

 申し立て後、家庭裁判所から、遺言書の検認期日が相続人全員に通知されます。検認当日には、家庭裁判所において、申立人と、基本的にすべての相続人が立会いのもとで、遺言書が開封されて検認手続きが行われ、検認調書というものが作成されます。
(検認当日に参加するかどうかは相続人に任されています。)

 封をしてある遺言書の場合には、ここで初めて、遺言書の内容が明らかになることになります。

※家庭裁判所への申請から、検認期日までには時間(1か月~)がかかりますので、ご注意ください。

 ただし、次の点にはご注意ください。検認手続きは、遺言書が法的に有効か無効かを判定するものではありません。相続人立会いのもと、遺言書が存在すること、そして、遺言書の内容などを明確にして知らしめること、その後の遺言書の偽造や改ざんなどを防ぐことが主な目的です。この点につきましては、よくご認識しておいてください。

 検認が終わったら、「検認済証明書」の交付を申請してください。この検認済証明書がないと、不動産の登記名義人変更の手続きなど、遺言の内容に従って財産を分けることができないので、忘れずに、交付してもらうようにしてください。

 また、封をしてある遺言書を勝手に開封したりした場合には、5万円以下の過料に処せられます。封をしてある遺言書は、必ず、そのまま家庭裁判所に提出してください。
 そうしたことを防ぐために、前回の記事でも書きましたが、封をした封筒には、発見した人がすぐわかるように、「~開封しないで、家庭裁判所に提出~」という文言を書いておいた方がよろしいかと思います。十分にご注意ください。



 ※次回以降は、公正証書遺言についてみていきたいと思います。












































a:2982 t:1 y:0