公正証書遺言

公正証書遺言は「公証役場」というところで、「公証人」に作ってもらう遺言書です。

自分で公証役場へ行って、公正証書を作ってもらう場合には、公証役場へ行く前に、しっかりと自分の考えを整理し、必要なことは紙に書いておく(メモしておく)などして、『自分は、こういう内容の遺言書を作りたい』ということを、公証人に、きちんと説明できるように準備しておきましょう。

公正証書遺言を作るときの手順とポイント

①自分の相続人を確認する

自分が亡くなったら、「誰が」相続人になるのか?これは、最も基本となる重要なことなので、きちんと理解しておいてください。

※これを証明するために、「戸籍(戸籍謄本など)」が必要になります。

戸籍

②いまの自分の財産を書き出す

不動産(土地・家)、預貯金などの現金、株式・投資信託・国債などの有価証券類、そのほか、ひとつひとつ調べて、書き出してみてください。

この作業は、それぞれの証拠になるもの(例:不動産登記事項証明書、銀行の預金通帳など)で確認をしながら進めるようにしましょう。

ペンとノート

③「誰に」「なにを」「どういうふうに」残したいか?を考える

誰に、なにを残そうかと思うときに、思い浮かぶ人の顔はさまざまでしょう。子ども(孫)、親、兄弟姉妹、友人、お世話になった人、あるいは、なんらかの団体や学校、お寺や教会など、人それぞれだと思います。

まずは、自分の素直な思いに沿って…「誰に」「なにを」「どのように」残したいのか、書き出してみましょう。

そのときに、なぜ、その財産を、その人に残そうと思ったのかという理由みたいなものも書き添えておくといいと思います。

ここで書いたものが「遺言書の素(ゆいごんしょのもと)」になります。

考える男性

④遺言書の内容を整理する

では、次に、少し別の視点からの見方を加えてみましょう。別の視点から…というのは、たとえば、遺留分のことであったり、相続税のことなどです。

「遺言書の素」が遺留分という視点から見てどうなのか?

その内容が、もしも、誰かの遺留分を侵害するようなものになっていたとしたら、その内容を修正しますか?しませんか?というようなことです。

あるいは、相続税が気になるという方もいらっしゃるでしょう。
・相続税は、どれくらいになるんだろう?
・相続税対策で、いまのうちにできることはないか?

相続税など税金に関する専門家は税理士です。個別具体的な相続税のことについては税理士にご相談ください。

このように、いろいろなことを考え併せながら、遺言書の内容を整理していきます。本や雑誌を読んだり、テレビを見たり、インターネットで調べたり、調べる方法はいくつもあります。

ただ、難しかったり、これでいいのかな?と心配になったりすることもあるかと思います。そんなときには、専門家に相談してみることも考えてみましょう。

電話する男性

⑤必要な書類を集める

公証役場で遺言書を作るときには、事前に、次のような書類を準備します。

・自分の戸籍謄本等(現在のものから遡って、生まれたときのものまで一連のもの)
・自分の印鑑証明書(※3ヶ月以内のもの)
・不動産の登記事項証明書(※不動産を持っている場合)
・固定資産税評価証明書(※納税通知書でも可)
・預貯金通帳の写し など

これらは一例です。詳しくは、公証役場などにお尋ねください。また、ご事情によっては、集めるのに時間と手間がかかるケースもあります。ひとつひとつ確認しながら、きちんと準備していきましょう。

⑥公証人との面談(その1)

準備ができたら、公証役場へ電話をかけて、予約をとりましょう。
電話で、「遺言書」を作りたい旨を伝えて、面談の日時を決めます。面談のときに持参するもの(遺言書作成のために必要になる書類など)も、併せて確認しておきましょう。

最初の面談では、とにかく、きちんと自分の意思を伝えることが大切です。本人が迷っているようでは、公証人も、あなたの「遺言書」を作ることはできません。しっかりと準備をしていきましょう。

公証人の先生に対して、はっきりとお話ができるように、必要な書類を準備して、話すときに参考になるような箇条書きにメモしたものなどを用意しておくといいと思います。

そうしておけば、その場で緊張してしまい、忘れしてしまった~とか、アタマがまっ白になってしまったとかいうことがあっても、あわてず、メモをみながら「ああ、そうだ!」と思い出して、お話をすることができると思います。

⑦公証人との面談(その2)

公証人との面談は、特に問題がなければ、1回で終了です。あなたが伝えた想い(内容)を、公証人の先生が「遺言書の原案」というカタチにしてくれます。

面談の中で、公証人の先生から、内容に関するご質問や法的な面からのお話が、いくつかあるかと思います。そのときには、難しい言葉やわからないことがあったら、なんでも遠慮なく聞いてみることが大切です。

ここで作る「遺言書」は誰のものでもありません。あなた自身のものです。自分自身がきちんと納得して「これでいいです。私はこういう内容の遺言書を作りたかったんです。」そう思えるものができるまで、頑張りましょう!

⑧証人の手配

公証役場で遺言書を作成するときは、公証人の先生とご本人、それ以外に、現場に立ち会う「証人」になってくれる人が2名(※通常)必要です。

法律では、証人になれない人が定められて(※民法974条)います。
①未成年者
②推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

難しく書いてありますが、ざっくり見ると、ご本人の身近な方は証人になれない可能性が高いということです。

たとえば…

ご本人の子ども(長男、長女など)は、②の「推定相続人」にあたりますから、証人にはなれません。

じゃあ、子ども(長男)の配偶者(お嫁さん)は、どうでしょうか?

こちらも、②の「推定相続人の配偶者」に該当しますので、証人にはなれません。

では、実際のところ、それ以外でとなると…
いかがでしょう?案外、すぐに思い浮かばないのではないでしょうか?

やはり、「遺言書」というものの性質上、なかなか難しそうな気がします。もし、心当たりがないようでしたら、公証役場に相談してみるのも、ひとつの方法です。困ったなと思ったら、気軽に相談してみましょう。

⑨作成当日へ

公証人の先生との打ち合わせも終わり、証人になってもらう人も決まったら、公証役場と連絡をとって、具体的な遺言書(公正証書)作成日と時間を決めましょう。

公証人の先生、証人のスケジュールなどを確認して、きちんと予約をとるようにしてください。

また、当日は、忘れ物がないように注意しましょう。特に「実印」を忘れると、お手上げになりますから、最低限、それだけは忘れないようにしましょう。

もちろん、公証役場へ支払う手数料(※)も忘れてはいけません。ただ、お金については、家を出てから気づいても、銀行に行ってお金をおろしてくることもできますが、「実印」だけは、家に忘れてきたら、どうすることもできません。くれぐれもご注意ください。

画像の説明

※公証人の先生へ支払う手数料は、前日までに、公証役場から連絡があると思いますが、もし、わからない場合には、確認をとるようにしましょう。

(※ご参考)
お客様のご事情によっては、公証役場に出向くことが難しいケースもあると思います。そうした際には、公証人に、お客様のところまで出張を依頼することも可能です(※別途、公証人手数料が加算されます)。

⑩遺言書作成日の当日(開始まで)

時間には余裕を持って出かけましょう。早めに家を出て、喫茶店などでリラックスしてからというのもいいかもしれません。

どうしても、馴染みのない場所ですし、もしかしたら、ちょっととっつきにくい雰囲気もあったりしますので、やっぱり緊張してしまうかもしれません。

そのあたりは、もう、「気持ち」で頑張っていきましょう!公証役場まで一緒に行ってもらえる人がいたら、お願いしてみるのもいいと思いますよ。

案内がありましたら、実印と手数料を忘れないようにして、ゆっくりと落ち着いて、その場へ向かいましょう。付き添いの方は、その場へ同席することはできませんので、待合室などでお待ちください。

⑪遺言書作成日の当日(開始~終了まで)

公証人の先生のところへ、ご本人様と証人2名が集まります(全部で4人)。

公証人の先生から簡単な説明(確認)とお話があると思います。落ち着いて話を聞いて、尋ねられたことには、ふつうにお話をしていただければ大丈夫です。

それが終わったら、公正証書の内容の確認に入ります。ご本人様には、公正証書が1通、渡されます。そして、公証人の先生が、公正証書に書かれていることを、最初から最後まで、声に出して読んでいきます。

公証人の先生が読み上げていくのを聞きながら、その公正証書に書かれている部分を見ていってください。内容に間違いなないかどうかを、自分の目と耳で、きちんとチェックをするようにしましょう。

このとき、たとえ、細かいことでも、気になることや(?)疑問に思うことがあったら、遠慮なく質問して確認してくださいね。

公証人の先生の読み聞かせが最後まで終わって、特に問題なく大丈夫でしたら、順番に署名・押印をしていきます。まずは、ご本人様が署名をして、印鑑(実印)を押していただきます。その次に、証人の2名が順に署名・押印をして、遺言書を公正証書で作成する作業が終了です。

公証人の先生から、手数料支払いのお話がありましたら、ご用意いただいている所定の料金を、公証人の先生に直接お支払いください。

公正証書は、全部で3通作成されます。1通は「原本」として、その公証役場に保管され、2通(正本・謄本)をお持ち帰りいただくことになります。

こうして、「原本」が公証役場に保管されることにより、自分が持ち帰ったものを失くしてしまった場合などにも、所定の手続きをすれば、公証役場で再発行してもらうことが可能になります。

当事務所の公正証書作成サポート

当事務所では、こうした「公正証書」作成のサポートをうけたまわっています。

公正証書のもとになる「遺言書」の原案作成のご相談から始まり、必要書類のご説明、ご要望があれば当事務所で書類の取り寄せなどもお手伝いさせていただきます。また、公証役場とのやり取り(公証人との打ち合わせ、日程調整など)は、すべておまかせいただいて大丈夫です。

当事務所にご依頼いただだいたお客様が公証役場に出向いていただくのは、最後の「公正証書」作成当日の1回(所要時間は約20~30分)だけです。このように、当事務所では「公正証書」が出来上がるまで、いろいろ細かなものまで含め、そのすべての段階をサポートさせていただきます。

もちろん、その間のご相談は何度でもうけたまわりますので、ご遠慮なくおっしゃってください。本当に大切な、大切な「遺言書」です。お客様のお話を、ひとつひとつ、きちんと丁寧におうかがいさせていただきます。どうぞ、安心してご相談ください。

「遺言書」を「公正証書」で作成することをお考えの方、詳しいことをお聞きになりたい方は、いつでもお気軽に、当事務所までお問合せ・ご連絡ください。

初回相談無料!/お話おうかがいします

お問合せ・初回相談は無料です。
お客様のご相談の秘密は厳守いたします。
どうぞ、安心してご相談ください。

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