自筆証書遺言(2)

 では、前回の続きで、自筆証書遺言の注意点についてみていきます。

 ①筆記用具
   特に決まりはありません。ただ、鉛筆だと消されたり、書き直されたり
   する可能性があります。ボールペン・万年筆などが良いと思います。

 ②用紙
   これも、特にきまりはありませんが、いつ相続が発生するかというのは、
   誰にもわかりません。ずいぶん先のことになる可能性も大いにあります。
   だとしたら、耐久性ということも考えて、すぐに破れそうな紙だったり、
   色が大きく変色してしまう紙などは避けたほうが良いでしょう。

 ③日付(遺言書を書いた日)
   日付は「平成〇〇年〇月〇日」などといった書き方が一番確実です。
   はっきりと、その日が特定できるように書きましょう。
   (※「平成〇〇年〇月吉日」といった書き方は、日付が具体的に特定でき
   ないため、無効になりますので、ご注意ください)

 ④署名
   必ずしも戸籍上の氏名に限定されてるわけではありませんが、後々の無用
   なトラブルを避けるためにも、きちんと、戸籍上の氏名(姓と名)を書く
   ことをお勧めします。

 ⑤押印
   認印でもかまいませんが、遺言をされる方ご本人が、自らの意思を示すた
   めに書いたものであることを証明するためにも、実印を使用されることを
   お勧めします。

 ⑥書いたものを訂正する場合
   訂正の種類によって、やり方が法律で厳しく定められています。
   (※具体的な部分はお問合せください。)
   ただ、枚数が少ない場合には、間違えたものは破棄して、もう一度、新し
   く書き直すことをお勧めします。

 ⑦封筒に入れて封をする
   決まり事ではありません。ただ、こうしないと、内容を知られてしまい、
   さらに…といったことにもなりかねません。
   できれば、封筒に入れて封印をし、表には「遺言書」である旨をきちんと
   記載し、裏面には「開封を禁ずる。本遺言書は開封しないで家庭裁判所に
   提出すること」などと書き、日付、署名、押印までしておけば、さらに良
   いと思います。

 ⑧保管
   これは頭を悩ませる問題かと思います。すぐに人目にふれるようなところ
   では心配です。かといって、絶対に見つからないようなところでは、いざ
   そのときになっても発見されない可能性もあります。また、遺言書を遺し
   たこと、その保管場所などを、ご家族(あるいは他の誰か)に伝えておく
   かどうかということも、併せて考えておいた方がいいと思います。



※長くなりましたが、次回も引き続き、自筆証書遺言についてみていきたいと思います。
































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