遺言書編⑭こんなケースは?(2)

今回のケースは、どうでしょうか?

あなたは、3人兄弟姉妹の長男で、ご両親と同居しています。同居している家は、土地も家も、お父さんの名義です。

お母さんは、数年前から認知症の症状がみられ、少しずつ進行してきているようです。幸い、お父さんは大丈夫ですが、過去に病気をしたこともあり、高齢のため、将来のことが心配です。

お母さんのことは、あなたの奥様が、ほぼ一人で日常のすべての面倒をみています。精神的にも肉体的にも、相当な負担となっています。

あなたの弟と妹は、どちらも結婚しており、それぞれ、小学生~中学生のお子さんがいます。弟さんも、妹さんも、年に1~2回、顔を見せる程度であり、お母さんのことは、あなたの奥様にまかせっきりのような状態です。

このケースで、お父さんが遺言書を遺さずに亡くなると、相続人は、認知症のお母さん、あなた、弟、妹となります。あなたの奥様は、相続人にはなりません。

法定相続分は、兄弟姉妹の間では平等です。
具体的には、お母さんが2分の1、そして、残りの2分の1を、兄弟姉妹3人が、6分の1ずつ分け合うということになります。

もちろん、これは、あくまでも、法定相続分のお話ですから、実際には相続人全員が話し合って決めるというのがスジです。

弟さん、妹さん、それぞれの事情があることでしょう。

すんなりと、話し合いがまとまればいいのですが、もしかしたら、難しくなるかもしれないケースでもあります。

お母さんの認知症の程度によりますが、もしかしたら、特別代理人(※)を家庭裁判所に選任してもらわなければならないかもしれません。

また、お母さんの面倒を一人でみているとはいえ、あなたの奥様は相続人ではないため、そのあたりのことについて、弟さん、妹さんが理解して、配慮をしてくれるかどうかはわかりません。

そして、あなたが、いま、お住まいの家と土地は、お父さんの名義で相続財産ですから、その他の相続財産の状況によっては、これからも、お母さんと、あなたのご家族が、そのまま、その家で生活していくことができるかどうか、といったことも考えなければならなくなるかもしれません。

しかし、もし、お父さんが、
 ・「きちんとした遺言書」を遺しておいてくれれば、
 ・「いざ、相続」というときに備えた準備(※)をしておいてくれれば、
みんなの生活を変えることなく、また、兄弟姉妹の関係も変わることなく、これからも暮らしていける、そんな相続ができる可能性はあります。

「自分の家族は大丈夫…」かもしれませんが、ときには時間をとって、ご家族のことを考えてみるのも、よろしいのではないかと思います。



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